開店【朝10時:店内バックヤードにて】
(監視カメラモニター前)
店員「また来ましたね、この客。」
店長「あーほんとだ。昨日泣きながら打ってたおばさん。頑張るねー」
店員「そうか、今日25日っすもんね」
店長「給料日だからね。軍資金はばっちりでしょ。もちろん釘は締めといたよ」
店員「あれ?でも店長、給料日は種蒔き期間だから釘は開けるんだ、ってこの前言ってませんでしたっけ?」
店長「それは海コーナーだけな。他のは締めるよ。カンカンカーンってガン締めの調整だよ」
店員「最新台も締めですか?」
店長「もちろん。機械代が80万以上するのにいきなり開けられないよ。元を取るまでは締めだよ」
店員「元取れるんですかね?なんかどの台も寿命短いじゃないっすか」
店長「短いねー。本当に短い。その台でできなきゃ、他の台で回収っしょ。」
店員「台の入れ替わりばっかりだと客が疲弊しますね。客っていうか、客の財布が」
店長「だからたまには釘を開けて、儲かる!って思わせないとダメなんだよ。お金を持ってきてもらわないと。ATMも消費者金融も近場にあるからね。お客さんのために、スムーズにお金が用意できるようにしとかないと」
店員「なるほどー。あ、さっきのお客さん、こっち(防犯カメラ)に向かってピースしてますよ」
店長「オスイチでもしたんだろ。おめでとう。」
昼時【昼12時:ランチタイム】
店員「やっぱり給料日は混雑してますね。12時で8割稼働っすよ」
店長「いいねえ、景気がいいねえ」
店員「やっぱり海コーナーが出てますね。開けたからかな。ドル箱も積まれ始めましたよ」
店長「いいねえ、いいねえ」
店員「店長、開けちゃったから不安になったりとかしないんですか?」
店長「んー?しないよ。なんで?」
店員「いや、赤字になったらお上に怒られるの店長じゃないですか」
店長「いいか?海コーナーのお客さんは基本的におじちゃんおばちゃんだ。あの人たちは基本打ちっぱなしで、止め打ちなんかしねえ。保留が溜まってるのに打つという行為は、店に金をあげているようなもんなんだ。ありがてえ」
店員「まあ、確かに無駄打ちですよね。」
店長「そういう人が多いし、且つ人気もあるから海コーナーは釘が開けやすいんだ。誤爆されることもあるが、海コーナー全体で見れば痛恨のダメージにはならねえよ。つか、そもそも開けるっていうことは、出なきゃ困るしな。ほどほどに出てくれないと」
店員「あ、朝のあの客、シマで一番出てますよ」
店長「おお、すげえな、おめでとう」
夜【9時:閉店前のバックヤード】
店長「ああ、眠いなあちくしょう」
店員「今日は忙しかったですね。海コーナーはもちろん、ほかの台も大繁盛でした」
店長「ノルマも余裕で達成したしな。毎月こうだと良いんだけどな」
店員「ノルマがあるんですか?」
店長「そらそうだよ。俺もサラリーマンなんだから、ノルマクリアしないと昇給カットだよ」
店員「キツいっすね」
店長「まあね。だから釘の開け方は慎重になる必要があるな。毎日開けてなんからんねーよ」
店員「ですよね」
店長「甘デジコーナーの稼働はどうだ?」
店員「はい。7〜8割埋まってます」
店長「そうか」
店員「あんまり出てないですね。甘デジだからかな」
店長「甘デジはかなり締めたからね」
店員「まあ、甘デジなら締めてもそこまで影響はないっすもんね」
店長「いやいや、大ありだよ。つか甘デジで締められたら客はまず勝てねえよ」
店員「え、なんでですか?当たりやすいじゃないですか」
店長「当たっても恩恵が少ないからな。頑張って打っても出玉は少ない、誤爆もしづらい。」
店員「鬼畜ですね」
店長「そうだな。甘デジは実は辛いんだよ」
店員「あ、さっきの客帰りますよ。1万発お持ち帰りだ」
店長「おめでとう。まじでおめでとう。」
店員「笑ってる。いやあ、楽しそうでなによりですね」
店長「本当だな」
店員「昨日10万円負けてるのに」
店長「もう忘れちゃってるでしょ」
※この物語はフィクションです。全て本ブログ管理人のバカパパの妄想です。